2019年6月23日日曜日

回想法WS3  回想法レクチャー

6月22日 回想法ワークショップ 担当:土井 

今日は吹田市介護老人保健施設で作業療法士をなさっておられる佐上雅宣先生のお話をお聞きしました。
最初に佐上先生より、回想法は聴き手の存在が大切であり、ボランティアも徐々に増えている事をお聞きしました。

まずは高齢になるに従って変化する身体や心の変化を学びます。

次に隣の人とペアになり、お互いの共通点を見つけることから、2人で行う個人回想法を体験します。わずかな時間で見つかる共通点は多くはありません。先生から「故郷自慢をしてください」と言われ、お互いに故郷のことを話した後、「もう一度相手の話を聞いて下さい」と指示がでます。

もう一度相手の話を聞く際に意識した事は何だったでしょうか?
「相手の話に関心を持っている態度を示した」「自分も(相手の故郷に)行った事がある、いいところですね、と伝えた」との返答がありました。

回想法が行われている佐上先生の施設のドキュメンタリー映像を拝見します。高齢の方が回想法を行う事により、生き生きとした表情に変化していくのがわかります。「お話し会(回想法の時間)」をとても楽しみにされているようです。

高齢者と大学生のグループ回想法のひとつの進め方として、懐かしい生活道具を使うことがありますが、そこでは高齢者が道具の使い方の先生となります。
また、若い人がいたからこそ話しておきたい、若い人にしか語れない話もあるようです。それは「回想法」としての観点からだけではなく、今の内に聞いておかなければならない話しはたくさんあるのだ、という心構えを持たなければならない事を強く感じました。

回想法により、自分を受け入れ自信を持ち、昔の成功体験を思い出す事が出来ます。
回想法をしたメンバーで信頼関係が深まり、安心して人と関わる事ができるようになるので、地域をつないでいく効果もあります。
回想法を楽しむための留意点として、記憶は曖昧なのでひとの記憶間違いを咎めたりはしないことです。

最後の質問コーナーでは、男性と女性との違いはどうですか?という質問があり、やはり女性はよく話されるが、男性は参加人数も話す量も少ないとお聞きしました。
普通の会話においても、男性は会話する時、相手を論破しようとか、偉いと思ってもらいたいとか、構えてしまう事が多いように思えます。
構えずに、回想法をすることにより、グループの中でスポットライトがあたる気持ち良さを知ってもらいたいものです。