2012年3月21日水曜日

私のモノがたり~18人の思い出の一品~

319日から私のモノがたり~18人の思い出の一品~と題しましてメッセージと写真展が当センター開催されています。















初日の19日はお話を聞き取ったメンバーがお茶とお菓子を準備してご来場されてみなさんをお出迎えしました。















展示に参加された皆さんには、写真とメッセージをまとめた記念カードに聞き取ったものからのお礼文を添えてお渡ししました。















今回の展示は、思い出の品物にまつわる話を聞くことで、その人の人生の物語を聞き取り、同時に歴史や文化を理解すること、また物を介した語らいを通して、異世代で歴史や文化を交換し、今後のお互いの理解につなげていけないかという思いから開催されています。
みなさんのお持ちいただいた品物から紐解かれる生きてきた物語が写真や文章から心に迫ってきます。
展示会は31日(土)まで開催しております。
ぜひ、ご来館ください。





2012年3月17日土曜日

風と土と


3月17日(土)みんなの居場所、第2回目が行なわれました。その名も「出町近辺ユースのアイデア図鑑」です。前半は、各登壇者の方より15分程度のプレゼンを行なってもらいました。後半は、各プレゼンを受けての自由討論です。時系列にどんな話があったのか、簡単にご報告します。

一人目の登壇者は、浅田雅人さん。NPO法人 場とつながりラボhome's viの方です。浅田さんは、上京区のまちづくりアドバイザーをしながら、場とつながりラボhome's viの副代表も勤めている、多忙な方です。プロフィールにもありますが、「いまの小さな野望は、いつか自分に子どもができたら、その子どもの成長に合わせて、必要な環境をこの町に作っていくことです。」という言葉は、とても印象的でした。また、プレゼンの中で出て来た「弱さでつながる」という言葉も印象的でした。518桃李庵という場所は、定期的に開いているようなので、興味ある方は是非!
http://www.facebook.com/events/199577500148750/

二人目の登壇者は、尾形浩一郎さん、フリーペーパー「出町と柳」の編集長さんです。当日は、なんと驚きの映像出演(といっても私が提案したプランなのですが笑)。どういった経緯で「出町と柳」が作られていったのか、その辺りの話を中心にお伺いしました。そもそも、尾形さんは出町地域にも柳地域にも住んでいません。レンタル自転車屋さんのカリオンで働いていただけなのに、なぜか町内会の飲み会を企画するに至った、と簡単に書いてしまうと誤解を招いてしまうかもしれませんが、とても真摯に、丁寧に、当たり前の事を当たり前に実行していったら、人が集っていた。私はそのように感じました。特に印象的なのが、人が久しぶりに多く集った時に、記念写真を取って、参加者の皆さんに配ったというエピソード。少しずつの積み重ねで、人の繋がりが大きくなることを実感しました。




ここで小休止を挟みました。書き忘れましたが、司会は岸井大輔さん。最近は東京都とまちづくりに関わる仕事をされている方です。岸井さんの司会っぷりは、変な言い方かもしれませんが、とても滑らかでした。観客の方の意見も積極的に取り入れて、会場全体で企画を進めましょう、といった雰囲気が常に出ていました。小休止を挟むのも、会場の空気を見ての岸井さんの発言でした。様々な思いを持っている人が会場に集っていたのですが、その様々な思いを全て包み込むような岸井さんの司会があったからこそ、ユースのアイデア図鑑をみんなで紐解けたと思いますし、その先にある繋がりの兆しが見えたような気がします。

話があっちこっち言っていますが、三人目の登壇者は高橋朋江さん、通称タタタタカハシさんです。東京の広告会社に勤めていたにも関わらず、そこをやめて地元京都、出町商店街に戻り、出町商店街の活性化に向けて、様々な試みをしている方です。パイプ役になる!という宣言がとても良かったです。地元に住んでいるからこその視点が高橋さんによって導入され、アイデア図鑑全体に、リアリティが出たように私は思いました。

4人目の登壇者は、春山文枝さん、かぜのねの経営者の一人です。春山さんのプレゼンで印象的だったのが、春山さんが左京区にはまっているということです。地域を愛する視点。愛があるからこそ、左京区に期待していることもあり、少しずつ繋がりを増やす中で、昔の写真展をやったり、町内会へ参加したり。春山さんの語りはとても熱く、温和な雰囲気の中にも、まっすぐと芯が通っているような、そんな印象を受けました。ちなみに、今回の回の打上げで、かぜのねにお邪魔して、終電近くまで、登壇者同士で、和気あいあいと話をしました。春山さんはプレゼンの中で、「眉間にしわを寄せて地域を変えるよりも、おいしい楽しいといったことを大事にしながら、社会改革を少しずつ行なっていく」といった発言がありました。まさに、そういった理想を実現していく実験場として、かぜのねもあるのでしょうし、実際春山さんも、なんだかわからないけれど面白そうな人が集っているような場であって欲しい、という思いもあるようです。私もなんだかわからないけれど面白そうな人の一人として、今後もかぜのねに通いたいと思いました。

最後の登壇者はアサダワタルさんです。最近、ちくまから著書も出されているので、名前を聞いたことがある方も多いと思います。今回の登壇者で、京都に携わる方が4名、アサダワタルさんと岸井さんは、京都以外です。4名のプレゼンを受け、会場の雰囲気として、京都の話が本当に盛りだくさんだったので、他地域の事例をわざわざ紹介しなくても良いのではないか、といった流れになりました。そこで、岸井さんからの提案で、会場から3つの質問を受け、それを返答しながら、自己紹介も加えながら、アサダさんと岸井さんのプレゼンを併せてみる、といった提案がありました。




そして会場から出た質問が以下の3つです。
1.独居老人とどのように関わっていくのか
2.いまあるコミュニティを生かす方法は?
3.一般の方、忙しい方、利害が一致しない人々に、まちづくりに関わってもらうには?

アサダさんの著書の中にも出てきますが、この質問を受け、アサダさんから「グループスコーレ」の話が出てきました。アサダさんの実家のすぐ近所にある活動グループで、料理教室や麻雀教室を会員の方の家、自宅で行なっているようなグループとのこと。それぞれの自宅を訪問することで、それぞれが顔見知りになり、関係性が深まっていく。地域地域によって問題は違う訳で、それぞれの解答も違う。会の冒頭で岸井さんが言われていた言葉です。

最終の三回目は、3月24日(土)です。2回のみんなの居場所を受け、養正田中まちづくりの会さんが登場します。実際に地域に関わる方が自由にお話しする会です。どんな会になるのか、不安と期待が入り交じっている私であります。

2012年3月11日日曜日

みんなの居場所、1回目が行われました!

平成23年度 市民活動活性化事業 地域の高齢者との交流プロジェクト 「みんなの居場所」1回目がついに終わりました。

1回目は、この地域を知るためのフィールドワーク、まちあるきを実施しました。講師は、井本武美さん。養正田中まちづくりの会の世話役としても活躍される井本さんは、この養正学区の歴史を残そうと様々な形で活躍されています。今回フィールドワークに一緒に参加された方の中で、もう90歳近い高齢者の方がいたのですが、その方からも「ちゃんと井本さんは覚えてくれてはるなぁ。嬉しいなぁ」といった発言もありました。


本当に当たり前の話ですが、まちにはまちの歴史があります。まちをゆっくり歩けば、そういった歴史が目に入ってきます。もちろん、井本さんのガイドが無ければ気付かないことも多いのですが、参加者同士で気ままにお話ししながら、養正地区について、ぼんやりと考える。そんな時間は、とても貴重に思えます。私の希望としては、今後もまちあるきは、定期的に開催しても良いと思っていますし、歩く速度で考えるからこそ、話せる話もあると感じました。参加者の中には、とても若い方の参加もあり、企画側としては、そういった方が入って頂けると、老若男女入り乱れる感じで、とても嬉しかったです。どの地区もそうかとは思いますが、本当に高齢者の方が多いんですね、いま。大学も近くに多数ありますから、要所要所で若い方もいると言えばいるのですが、高齢者の方々の行動範囲に若い方が入ってくることはすくないでしょうし、その逆もまたしかりです。




異世代間の交流は、今回の「みんなの居場所」の目的の一つでもあります。だからこそ、2回目は若い方が中心の企画となっているところもあります。

2回目の宣伝を少しまじえたところで、後半の「認知症への理解」がどうだったのか、報告します。「認知症への理解」の講師は宮本さよ子さんです。日本いのちの花協会は、左京西部いきいき市民活動センターから近い場所にある、有料老人ホーム(住宅型)です。宮田さんの信念は、「人を思う気持ちは、必ず通じる」。この思いがあったからこそ、いきいきと仕事を続けてくることができたそうです。個人的な話ですが、実は昨年私の祖母が亡くなりまして、認知症にもかかっていました。家族としてもなかなかその事実を受け入れられなくて、精神的に参ってしまっている家族を、関西にいながらにして、少し無責任に?、思っていた時期もありました。
65歳以上の高齢者の場合、12人に1人の割合で認知症になるそうです。80歳以上ですと、4人に1人。認知症なんて関係ない、と思う方が大きな間違いで、高齢化社会を考えることは、今の日本の一番の課題と言えるかも知れません。宮田さんは、「国民総介護人化」と言います。一人で支えるのではなく、グループで支えていく。自分の親を支えたいという若者の考え方は、少し現実離れしており、認知症の方を一人で支えるのは不可能である。人には得手不得手があるから、それぞれの立場で、少しずつ認知症への理解を深めて、集団でサポートする仕組みやマインドを作っていかなければならない。といったお話でした。


前半のまちあるき、後半の講演会、どちらにも言えることは、やはり「集団の力」こそが物事を大きく動かしていくという点です。「みんなの居場所」を探るためには、一人うずくまって考えるのではなく、みんなで、集団で物事を考えていく/立ち向かっていく姿勢が重要なんだと、改めて思いました。みんながみんなに関心を少しずつ持てば、もっと良い地域、もっと良いまちができてくるんじゃないでしょうか。人と人が関わることですから、もちろん衝突もあるのは当たり前。しかし、他者に関心を持ち続けることは、そんなに難しいことでは無いのかもしれません。

宮田さんの講演会の最後、宮田さんは自身で書かれた詩を読んでくれました。その詩の最後は、このように締めくくられます。少しだけ長いですが、引用して、1回目の報告を終わりたいと思います。

で、知らん間に
寂しがりの自分のこと
すっかり忘れて生きとった
それにしても よう忘れはるわ お年寄り
あんたさん 久しぶりどすなあ て
今し方いっしょに屋上で ハーブ摘んできたばかり

ほんとに お久しぶりです
私もなんだか 懐かしい

2012年3月5日月曜日

シアターゲームことはじめ



中学生向けのシアターゲームを使ったワークショップも今日(3月4日)で最終日となります。
 前回、今回とちょっと寂しい参加人数でしたが、見学の大人も混じって楽しいワークショップとなりました。
 伝えること、感じることをテーマにした今回のワークショップですが、言葉を使わず伝えたり、受け取ったりすることはなかなか難しいことです。誤解するし、うまく伝えられない。

しかし、人と何かを伝えたり、受け取ったりする行為は本来そういうもので、ことばで簡単に伝えられると思っていることは、実は全体の一部のように感じます。本当のことや大切なことはことばよりも、ちょっとした仕草の奥に隠れているように感じます。コミュニケーションが「上手い」、「下手」となんだか技術的なことのようにとらえられがちですが、それらは人を受け入れたり、自分そのものを受け入れる中で培われることではないかと思います。「つたえたい」「うけとりたい」という行為を丁寧におこなうことで、ちょっと心が軽くなるような気がします。



2012年3月2日金曜日

思い出の品から始まるシニアと若者との交流

突然ですが、このブログを読んで頂いてるみなさんの大切にしているもの、思い出のつまったものはなんでしょうか?

去る2月27日、シニアの方にご自身の大切なものをお持ちいただき、そこに込められた思いを語っていただくという会を開催しました。

最初に配られたお菓子の中に入っているシールが同じ若者とシニア同士でペアを作りました。そして、ペアで互いの手を握りあう。触れる事で相手のことを知る。次に、手を使った遊びにはどんなものがあるか、ペア同士、そして全体で話しました。手の遊びは、ルールや歌の違いこそあれ、本質的な部分は昔も今も同じようなものが多かったです。



そして、いよいよそれぞれの思い出のものが登場です。ただ、いきなりそのものを見せるのではなく、それにまつわるストーリーをペアの二人で演じ、他の参加者がその思い出のものがなんであるのか当てようというクイズ形式です。自分のペアの方は、クイズなのに最初に答えを言ってしまったりというハプニングもありましたが、二人で楽しくストーリーを作って演じました。最後に、自分のグループの次に発表したグループの思い出のものを題材に句を詠み、会は終了しました。

シニアの方というのは一人一人、歴史を持っておられて、それをお伺いするというのは本当に刺激的な体験です。シニアのかたもそれを語ることを楽しいと感じてくれていたようだったので、手前味噌ながら本当によい企画だったと感じました。

3月には、地域のシニアの方に協力していただき、写真展を行います。協力して頂ける方も募集しておりますし、展示だけでも興味がおありでしたら是非当センターまで足をお運び頂ければ幸いです。以下のリンクに詳しい情報が出ていますので、そちらもよろしくお願いします!


最後は参加者全員で握手◎