2012年3月17日土曜日

風と土と


3月17日(土)みんなの居場所、第2回目が行なわれました。その名も「出町近辺ユースのアイデア図鑑」です。前半は、各登壇者の方より15分程度のプレゼンを行なってもらいました。後半は、各プレゼンを受けての自由討論です。時系列にどんな話があったのか、簡単にご報告します。

一人目の登壇者は、浅田雅人さん。NPO法人 場とつながりラボhome's viの方です。浅田さんは、上京区のまちづくりアドバイザーをしながら、場とつながりラボhome's viの副代表も勤めている、多忙な方です。プロフィールにもありますが、「いまの小さな野望は、いつか自分に子どもができたら、その子どもの成長に合わせて、必要な環境をこの町に作っていくことです。」という言葉は、とても印象的でした。また、プレゼンの中で出て来た「弱さでつながる」という言葉も印象的でした。518桃李庵という場所は、定期的に開いているようなので、興味ある方は是非!
http://www.facebook.com/events/199577500148750/

二人目の登壇者は、尾形浩一郎さん、フリーペーパー「出町と柳」の編集長さんです。当日は、なんと驚きの映像出演(といっても私が提案したプランなのですが笑)。どういった経緯で「出町と柳」が作られていったのか、その辺りの話を中心にお伺いしました。そもそも、尾形さんは出町地域にも柳地域にも住んでいません。レンタル自転車屋さんのカリオンで働いていただけなのに、なぜか町内会の飲み会を企画するに至った、と簡単に書いてしまうと誤解を招いてしまうかもしれませんが、とても真摯に、丁寧に、当たり前の事を当たり前に実行していったら、人が集っていた。私はそのように感じました。特に印象的なのが、人が久しぶりに多く集った時に、記念写真を取って、参加者の皆さんに配ったというエピソード。少しずつの積み重ねで、人の繋がりが大きくなることを実感しました。




ここで小休止を挟みました。書き忘れましたが、司会は岸井大輔さん。最近は東京都とまちづくりに関わる仕事をされている方です。岸井さんの司会っぷりは、変な言い方かもしれませんが、とても滑らかでした。観客の方の意見も積極的に取り入れて、会場全体で企画を進めましょう、といった雰囲気が常に出ていました。小休止を挟むのも、会場の空気を見ての岸井さんの発言でした。様々な思いを持っている人が会場に集っていたのですが、その様々な思いを全て包み込むような岸井さんの司会があったからこそ、ユースのアイデア図鑑をみんなで紐解けたと思いますし、その先にある繋がりの兆しが見えたような気がします。

話があっちこっち言っていますが、三人目の登壇者は高橋朋江さん、通称タタタタカハシさんです。東京の広告会社に勤めていたにも関わらず、そこをやめて地元京都、出町商店街に戻り、出町商店街の活性化に向けて、様々な試みをしている方です。パイプ役になる!という宣言がとても良かったです。地元に住んでいるからこその視点が高橋さんによって導入され、アイデア図鑑全体に、リアリティが出たように私は思いました。

4人目の登壇者は、春山文枝さん、かぜのねの経営者の一人です。春山さんのプレゼンで印象的だったのが、春山さんが左京区にはまっているということです。地域を愛する視点。愛があるからこそ、左京区に期待していることもあり、少しずつ繋がりを増やす中で、昔の写真展をやったり、町内会へ参加したり。春山さんの語りはとても熱く、温和な雰囲気の中にも、まっすぐと芯が通っているような、そんな印象を受けました。ちなみに、今回の回の打上げで、かぜのねにお邪魔して、終電近くまで、登壇者同士で、和気あいあいと話をしました。春山さんはプレゼンの中で、「眉間にしわを寄せて地域を変えるよりも、おいしい楽しいといったことを大事にしながら、社会改革を少しずつ行なっていく」といった発言がありました。まさに、そういった理想を実現していく実験場として、かぜのねもあるのでしょうし、実際春山さんも、なんだかわからないけれど面白そうな人が集っているような場であって欲しい、という思いもあるようです。私もなんだかわからないけれど面白そうな人の一人として、今後もかぜのねに通いたいと思いました。

最後の登壇者はアサダワタルさんです。最近、ちくまから著書も出されているので、名前を聞いたことがある方も多いと思います。今回の登壇者で、京都に携わる方が4名、アサダワタルさんと岸井さんは、京都以外です。4名のプレゼンを受け、会場の雰囲気として、京都の話が本当に盛りだくさんだったので、他地域の事例をわざわざ紹介しなくても良いのではないか、といった流れになりました。そこで、岸井さんからの提案で、会場から3つの質問を受け、それを返答しながら、自己紹介も加えながら、アサダさんと岸井さんのプレゼンを併せてみる、といった提案がありました。




そして会場から出た質問が以下の3つです。
1.独居老人とどのように関わっていくのか
2.いまあるコミュニティを生かす方法は?
3.一般の方、忙しい方、利害が一致しない人々に、まちづくりに関わってもらうには?

アサダさんの著書の中にも出てきますが、この質問を受け、アサダさんから「グループスコーレ」の話が出てきました。アサダさんの実家のすぐ近所にある活動グループで、料理教室や麻雀教室を会員の方の家、自宅で行なっているようなグループとのこと。それぞれの自宅を訪問することで、それぞれが顔見知りになり、関係性が深まっていく。地域地域によって問題は違う訳で、それぞれの解答も違う。会の冒頭で岸井さんが言われていた言葉です。

最終の三回目は、3月24日(土)です。2回のみんなの居場所を受け、養正田中まちづくりの会さんが登場します。実際に地域に関わる方が自由にお話しする会です。どんな会になるのか、不安と期待が入り交じっている私であります。