2012年3月11日日曜日

みんなの居場所、1回目が行われました!

平成23年度 市民活動活性化事業 地域の高齢者との交流プロジェクト 「みんなの居場所」1回目がついに終わりました。

1回目は、この地域を知るためのフィールドワーク、まちあるきを実施しました。講師は、井本武美さん。養正田中まちづくりの会の世話役としても活躍される井本さんは、この養正学区の歴史を残そうと様々な形で活躍されています。今回フィールドワークに一緒に参加された方の中で、もう90歳近い高齢者の方がいたのですが、その方からも「ちゃんと井本さんは覚えてくれてはるなぁ。嬉しいなぁ」といった発言もありました。


本当に当たり前の話ですが、まちにはまちの歴史があります。まちをゆっくり歩けば、そういった歴史が目に入ってきます。もちろん、井本さんのガイドが無ければ気付かないことも多いのですが、参加者同士で気ままにお話ししながら、養正地区について、ぼんやりと考える。そんな時間は、とても貴重に思えます。私の希望としては、今後もまちあるきは、定期的に開催しても良いと思っていますし、歩く速度で考えるからこそ、話せる話もあると感じました。参加者の中には、とても若い方の参加もあり、企画側としては、そういった方が入って頂けると、老若男女入り乱れる感じで、とても嬉しかったです。どの地区もそうかとは思いますが、本当に高齢者の方が多いんですね、いま。大学も近くに多数ありますから、要所要所で若い方もいると言えばいるのですが、高齢者の方々の行動範囲に若い方が入ってくることはすくないでしょうし、その逆もまたしかりです。




異世代間の交流は、今回の「みんなの居場所」の目的の一つでもあります。だからこそ、2回目は若い方が中心の企画となっているところもあります。

2回目の宣伝を少しまじえたところで、後半の「認知症への理解」がどうだったのか、報告します。「認知症への理解」の講師は宮本さよ子さんです。日本いのちの花協会は、左京西部いきいき市民活動センターから近い場所にある、有料老人ホーム(住宅型)です。宮田さんの信念は、「人を思う気持ちは、必ず通じる」。この思いがあったからこそ、いきいきと仕事を続けてくることができたそうです。個人的な話ですが、実は昨年私の祖母が亡くなりまして、認知症にもかかっていました。家族としてもなかなかその事実を受け入れられなくて、精神的に参ってしまっている家族を、関西にいながらにして、少し無責任に?、思っていた時期もありました。
65歳以上の高齢者の場合、12人に1人の割合で認知症になるそうです。80歳以上ですと、4人に1人。認知症なんて関係ない、と思う方が大きな間違いで、高齢化社会を考えることは、今の日本の一番の課題と言えるかも知れません。宮田さんは、「国民総介護人化」と言います。一人で支えるのではなく、グループで支えていく。自分の親を支えたいという若者の考え方は、少し現実離れしており、認知症の方を一人で支えるのは不可能である。人には得手不得手があるから、それぞれの立場で、少しずつ認知症への理解を深めて、集団でサポートする仕組みやマインドを作っていかなければならない。といったお話でした。


前半のまちあるき、後半の講演会、どちらにも言えることは、やはり「集団の力」こそが物事を大きく動かしていくという点です。「みんなの居場所」を探るためには、一人うずくまって考えるのではなく、みんなで、集団で物事を考えていく/立ち向かっていく姿勢が重要なんだと、改めて思いました。みんながみんなに関心を少しずつ持てば、もっと良い地域、もっと良いまちができてくるんじゃないでしょうか。人と人が関わることですから、もちろん衝突もあるのは当たり前。しかし、他者に関心を持ち続けることは、そんなに難しいことでは無いのかもしれません。

宮田さんの講演会の最後、宮田さんは自身で書かれた詩を読んでくれました。その詩の最後は、このように締めくくられます。少しだけ長いですが、引用して、1回目の報告を終わりたいと思います。

で、知らん間に
寂しがりの自分のこと
すっかり忘れて生きとった
それにしても よう忘れはるわ お年寄り
あんたさん 久しぶりどすなあ て
今し方いっしょに屋上で ハーブ摘んできたばかり

ほんとに お久しぶりです
私もなんだか 懐かしい