2017年10月14日土曜日

レクチャーとシンポジウム『回想法の実践とその可能性』【2017/10/7】

語らうことを通じた認知症予防・介護予防をテーマに、レクチャーとシンポジウムを開催しました。ここで扱った認知予防・介護予防の手法は「回想法」という方法で、読んで字のごとく昔のことを思いだして語ることによって、脳を活性化し認知症予防や認知症の軽減につなげようという方法です。
 講師として吹田市介護老人保健施設で作業療法士として、認知症予防や認知症ケアに取り組まれている佐上雅宣さんと、当センターでの高齢者への聞きとり事業やシニア劇団の指導などでお世話になっている演劇指導・演出家の細見佳代さんにお越しいただき、回想法の効用や、回想法を使った取り組みについてお話いただきました。
 
 会場には、チラシを見て関心を持ってお越しいただいた方や今度当センターに事業で高齢者への聞きとりに参加する大谷大学の学生さんや、指導される社会学部の先生方など20代から80代までの25名ほどがあつまり、熱心にお話に耳を傾けました。若い方に話を聞いてもらえたのはとても良かったと思っています。



 さて、第一部は佐上さんに、回想法とは何かということから、回想法はどのように行うか、その効用など回想法にまつわる基礎的な知識や体験談をレクチャーしていただきました。休憩をはさんで後半は、細見佳代さんに登場いただき、演劇が専門で決して福祉を志したわけではない細見さんがどうして、回想法に出会いまた高齢者への聞きとりなどを題材に作品創作を行うようになったのか、その経緯や取り組みの事例を紹介いただき、引き続いてセンター長の杉山の進行で佐上さん細見さんとにそれぞれの取組や回想法についてより突っ込んだ質問に答えていただきました。

 会場からも質問や積極的なご意見を頂戴し、2時間では収まりきらない濃い内容となりました。
 「まだ介護の厄介になっていない健康な人が、認知症の予防やつながりづくりのために思い出を語るためのこうした会があってほしい」という声も頂戴し、今日の話にも上がったグループで思い出を聴きあう「グループ回想法」などの取り組みを当センターで行う背を押された気がしました。